電気治療器(低周波・SSP等)の効果的な使用法の提案(3/6ページ)
<注意>ここに挙げる通電方法は現在当院において行っていませんが、適当に電気治療器を取り付けるよりはるかに効果的なので掲載を継続しています。目次
<効果的な導子の配置の仕方>
(B)手足の痛みに対してB(五行説の相生関係を全身的に用いたアプローチ)
部分での補潟だけでは、全身的に余程調子の悪い人には不十分かもしれません。そんな時の対処法を提案します。
そもそも、例えば「手首」のように、なぜからだの一部が急に痛み出したり、ちょっとした怪我の痛みが長引いたりするかといえば、それは全身の調子も悪いからなのです。全身が絶好調ならそんなことは起こらないのです。東洋医学の概念を借用すれば、「部分は全部を包含し、全部は部分を包含する」のです。つまり、「手首」という部分は全身に関係していて、全身もまた部分(手首)に関係しているのです。言い換えれば、「手首」の痛みはゆくゆくは全身に悪影響を及ぼし、逆にもまた、全身の不健康が手首に悪影響を及ぼしているのです。これは、事実です。
よって、たかが手首の痛みであろうと、全身の調子を整える治療を加えると、今まで紹介した部分的治療で満足のいく効果のでない痛みにも、さらに治癒速度を高める事ができます。
電気刺激に良く反応する経穴は、「原穴」と「絡穴」と「兪穴(ゆけつ)」のようです。
使用する経穴は、Aに加えて、異常経脈の「母」と「子」と「異常経脈自身」の『兪穴』と「子」の『足の絡穴』が効果的。部分的治療では手で潟の経絡を選びましたが、実は、足で潟した方が断然効果的なのです。
前頁の大腸経上に最大圧痛点がある場合を例にして説明しますと、
Aの選穴に加えて、追加する経穴は左右の「肺兪」「脾兪」「大腸兪」「膀胱兪」の8つと、左右の下肢の膀胱経の絡穴「飛揚」2つで、合計10個。この中からより有効そうなのを選びます。イメージは脾で補、膀胱で潟です。
と、SSPでもこれだけの電極はないので、どれを優先するかは「より痛いか気持ち良い経穴」で決めます。「痛くも気持ちよくも無い」経穴は効果が薄い可能性が高いので排除します。
参考までに一般的なはなしをしますが、「痛くも気持ちよくもない」経穴は、疼痛部から遠い経穴にあるかもしれません。大腸経に異常がある場合でも、肺経は正常かもしれません。そんな時は肺経上に「痛い気持ちい」は無いかもしれません。併用する部分的治療(A)においても、『「補」の経絡』『「瀉」の経絡』のうち、大して「痛み気持よさ」が無い経穴は排除すべきかもしれません。
ただ、補瀉の概念は捨てないで下さい。必ず補の経穴と瀉の経穴を選んでください。捨ててしまうと、具体的には例題の場合、全て肺経と大腸経で固めてしまうと、効果は半減です。五行説の補瀉効果は絶大です。とはいっても、普通に痛みを観察できていれば、補と瀉の経穴は、自然と選定されているものです。「母経絡」と「子経絡」には大抵自発痛があるもので、むしろ主に病んでいる経脈よりも症状は強いです。それを患者は教えてくれるし、その概念をもって触れば難なく圧痛は見つかります。
ただ、入江式FTが出来ればこんな面倒な手間は不要で、どの経穴を取ってどれを捨てるべきか瞬時に明確に分かります。出来ない場合はとにかく圧痛や気持ちよさに頼るしかありません。
この様に全身的に適格に取り付けられた時の患者の感想は「はぁ〜〜。いやぁ〜。きっもち〜ね〜。」です。治療前の体調が悪い時程、効果的な電気治療を受けられる程、電気治療中の気持ちよさは強いようです。
というわけで、参考までに以下に前腕の「大腸経領域の異常」に対する全身的な処置の例を示します。前腕の肺経の列と膀胱諭は効果が低そうなので省きました。
その他の経絡上の異常も五行説の母と子の概念を患者に当てはめて、当て方を考えてください。また、繰り返しますが、より効果的な取穴点を探す為には、FTやOT(オーリング)の手技は不可欠です。「痛い」「気持ちい」は、大きな判断材料になりますが、時間がかかるし、完璧ではありません。是非、FTかOTなどの第六感的検査技術をマスターした方がいいです。
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